紙のラジオ

だから、読者よ、わたし自身がわたしの書物の内容なのだ。きみが、こんなにも取るに足らない、こんなにもむなしい主題のために時間を使うのは分別のない話ではないか。では、さようなら。

【編集中】映画『君たちはどう生きるか』についてTwitterに書けないのでここに随時書き足していく

更新中 アオサギの造形はよい、ペリカンもまあまあ、ただインコたち(王も)やワラワラの弛緩した造形の魅力のなさにはがっかりした。後半はのっぺりした無表情でシンプルな顔のインコが画面を埋めるシーンがかなりあって退屈した。例えばもののけの木霊はシ…

読書メモ:村上春樹『壁とその不確かな壁』

読み終わったので雑にメモ。 飛ばして書いているので村上春樹を読んでない人には全く意味のわからない文章になっているでしょう。 文學界バージョンを『旧)街と、』最新作を『新)街と』と表記します。 『旧)街と、』は『ピンボール』の次に書かれており、…

作業日誌:2022.12.18

エロな広告よりも大人が真顔で嘘をついていることの方が悪い。よってほとんどの広告やコンテンツの方が悪い。嘘をまったくつくなとは言わんが嘘に対しては「嘘だ」と誰かがちゃんと指摘する必要があるとは思う。また嘘をついたり、理性的とは思えない言動が…

作業日誌:2021年についてのメモ

2021年は夏に手術をした。大きめの病院へ入院したんだけど手術はうまくいかなくて「リスクの低いやり方でもう一度やっても成功する確率が低い、もうすこし悪化したらリスクがあるやり方で再度手術しよう。それまでは様子を見ましょう」という方針になった。 …

雑記:お金ってなんで必要なんだっけ

「宝くじが当たったら、とりあえず貯金して仕事は続けるけれど、いつでもやめられると思えばだいぶ楽になると思う」というような話はどこででも聞くんだけど、ということは働かなくてもいいくらいのお金があっても働き続けるということで、それだとお金のな…

雑記:個人的に個人をやって社会的に社会人をやる

たとえばふと思い立って「うっし、ちょっとビーガン生活始めてみるか」とかやってみるとする。まあ自分一人が社会に与えるインパクトなんてほぼゼロなので、あくまでも個人的にちょっと試してみるとする。で、一年、二年と続けて、はたから見れば「そーいう…

雑記:「90年代サブカル」という認識

サブカルチャーってインターネット以前は(以後でも)日本中どこででも同じテレビ番組や東京のニュースが流れるという特殊な事情によるメインカルチャー、に抗するありとあらゆるマイナーな趣味がそれぞれの島として存在していた。その背景には今のようなSNS…

雑記:藤本タツキ『ルックバック』の加害者像について

ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+ 『ルックバック』の加害者の描写を見て「統合失調症だと思わなかった、決めつけじゃないの」という意見をはてなブックマークやTwitterで見かけたんだけどこれは「知らないが故に偏見だと気づかない」とてもいい…

消費がだぶついている

週に2枚くらいLPかEP買って車で通勤時に聴く、週に2~3冊本を買って昼休みと寝る前に読む、これくらいが私の消費活動サイクルなのだがバイトしてると音楽も本も買うほどのものをみつけるために探す時間が取れないので金を使う機会も減ってしまう。とにかくな…

最近の思うところ やっていること

年の瀬でもあり今の生活がなんとなく安定したループを描くようになったのでどのような生活をしているのか記録しておこうと思う。 2019年の2月に今の家に引っ越してきた。今住んでいるところはマジの田舎である。いい田舎とあまり良くない田舎があるが良くな…

エレクトロニカいい話:DJ SmojphaceがBjörkファンに浴びせたノイズ

2003年のビョークのコンサートでAphex Twinが匿名(DJ Smojphace名義)で一時間に亘ってノイズをかけまくる前座セットを繰り広げAFXを知らないビョークファンがぷりぷり怒っているレビューが発見された。TIL in 2003, Aphex opened for Björk and played Mer…

雑記:ハローグッバイ

山へ行こうと思って車で国道を走り、一本側道へ入ったところで車道の端の方に黒くて丸くて小さいものが目にはいった。前の車がその小さなものの脇すれすれを走り抜けるとバタバタと羽を動かした。子鳥だ。スズメより二回りほど小さい。 大きく迂回して子鳥を…

作業日誌:老いる

老人、とひとくくりに言っていいのかわからんが、老いてくると身体が動かなくなったり新しい(標準とされる)知識や情報が手にはいらなかったりして、つねに最適(合理的)な選択をとりづらいようになってくる。基本的に社会というものは適した状況における…

作業日誌:明日のあるなし

こないだ知り合いと話してて、その子に「もうちょい未来のことを考えて行動したらどうかしら」のようなことを言ったら「私はいつ死んでもいいと思っているからそうしない」と応じられたのでへえと思っていたのだけれど、逆に「あなたは死にたいと思ったこと…

作業日誌:鳥も豚も食べながら

www3.nhk.or.jp あなたが今、なぜ生きているのかわかりません。私の娘はいないのに、こんなひどいことをした人がなぜ生きているのかわかりません。何であなたは1日3食ごはんを食べているのですか。具合が悪くなれば治療も受けられる。私の娘はもうこの世に…

作業日誌:ティルマンスのリアルな写真

日中、返事の年賀状の絵を描いていた。作業に疲れるとティルマンスの写真集を眺めていた。TASCHENから出ている初期作品集三冊組。見ていてティルマンスの写真はとてもリアルだということを思った。 ティルマンスの写真は「確かに存在したこの世界のごく一部…

ネタバレバリバリスターウォーズ9雑感

『スターウォーズ9スカイウォーカーのなんとか』を見に行った。タイトルの時点で嫌な予感はしていたけどまあつまらない内容だった。スターウォーズは物語というかお話としてはつまらないのはわかりきっていることで(なんでアメリカ人はチャンバラや銃の撃ち…

雑記:2019年の振り返り その一

今年の出来事を振り返ってみる 頭の方はほとんど忘れてしまったが二月の終わり頃に関東へ引っ越した。これは実家メンが引っ越すと決めたもので私も引っ越す必要はなかったのだが実家メンだけでは引っ越しは現実的に不可能であり私の手伝いも必要だということ…

作業日誌:創作意欲と言えるものは

19.10.19 / 土 / 曇り 部屋の掃除をしたのだが終わりがけ、机の上の埃を払っていたらカップを肘で小突いてしまい、中に入っていた茶を机の下に置いていたジャコメッティの展覧会図録と大川美術館での松本竣介展の図録の上にこぼしてしまった。ふと、何か悪い…

雑記:Joi ItoとMIT Media Lab周辺のことがらについて

ここ数日MIT Media Lab所長のJoi Itoこと伊藤穰一に関連したニュースを追っていた(九月十日現在辞任)。当記事ではその際に見かけたものや感じたことなどを雑多に羅列しておきたい。以下人物名など敬称略、だけど雑です。 私が興味を持った起点としてのニュ…

雑記:とある記事の感想について その2

gendai.ismedia.jp またも上記記事と、その記事の語られ方について。 昨日も上記事についての引用や感想を書いた。 saigoofy.hatenablog.com そののち、Twitterやはてなブックマークでも上記事を起点として男女問題や子育て等様々なことについて色々なことが…

とある記事の感想とジェンダー論に対する印象について

・男の子はいかにして「男らしさの檻」に閉じ込められるのか(北村 紗衣) | 現代ビジネス | 講談社(1/4) gendai.ismedia.jp この記事は上記事を読んだ感想ですが、そもそも上記事は書評であり記事内で論じられているのは著者と評者の考えが混ざっている。…

アニメ:『魔法少女まどか☆マギカ』を見た

5年ほど前に友達と遊んでいたら映画やアニメの話になり、私は何を薦めたのか忘れたが、アニメを見ない私に薦められたのは『魔法少女まどか☆マギカ』だった。「どんなことを言うのか楽しみなので、見たら感想聞かせてください」といった意味のことを言われた…

レンタルなんもしない人は個人の物語を目撃する

レンタルなんもしない人とかが出てくるの多様性と言えると思うんだけど(そういえばニューヨークかLAかサンフランシスコかどっかで人の散歩につきあう人という需要があるというニュースを見たな)と同時に、多様性と言ってもそれは特定の誰かもしくは一定量…

雑記:「承認」てなんなんだ

今週の一曲:Proc Fiskal - Kontinuance www.youtube.com スコットランドのエジンバラ出身のProc Fiskalは21歳!2018年のリリースとは思えないくらいの00年代初期のエレクトロニカ・ヴァイブスに溢れた曲。Bleep 100で知った。いいです。 「承認」てなんなん…

雑記:個に宿る知性だけでは非常に脆い

徘徊防止用柵付きベッドを開発して座敷牢を復活させたと言われていた業者さん〔*1〕や、オタクがオタク趣味だけで迫害されたなんて聞いたことがないという若者の発言〔*2〕〔*3〕があったりと、人間が80年くらい周期で入れ替わる以上個体差だけでは社会は劇…

雑記:作者と作品をわけるのは難しい(ことがある)

shincomi.shogakukan.co.jp 浄土るるの『鬼』を読んだ。ある小学生の女の子と家庭の事情、そしてその女の子の所属するクラスとそのクラスへの転入生との関係が描かれるマンガだ。 この作品を読んで、作品に対して思う事と作者に対して思う事の二つがある。こ…

小林秀雄抜き書き、自由と教養

小林秀雄『自由』より抜き書き ハーバート・リードという英国の批評家の本を読んでいたら、自由という言葉について、面白いことを言っていた。英国人は、自由を言うのに、リバティーという言葉とフリーダムという言葉と二つ持っている。/リバティーは市民の…

われわれ日本人にはわからない

新聞抜き書き 2019年6月7日 朝日新聞夕刊 ほんとうの日本人⑤ 作家のリービ英雄さんについて 米国生まれのリービは、日本語で小説や評論を書く。(…) 「5年前に日本の永住権をとりました。ただ苦労してとった瞬間、『このことと文学とは、何の関係もない』…

雑記:矛盾できるというのはとても高度な仕掛け

最近は、たとえば「なんぴとも殺してはならないが、生きる為には何かを殺さないといけない(宇宙に干渉しなくてはならない)*1」みたいな矛盾に会ったときに、人が拵えた理という筋道しか動けないよりも、いつでもそこから逸脱して矛盾できることってとても…