紙のラジオ

だから、読者よ、わたし自身がわたしの書物の内容なのだ。きみが、こんなにも取るに足らない、こんなにもむなしい主題のために時間を使うのは分別のない話ではないか。では、さようなら。

最近の思うところ やっていること

 年の瀬でもあり今の生活がなんとなく安定したループを描くようになったのでどのような生活をしているのか記録しておこうと思う。

 2019年の2月に今の家に引っ越してきた。今住んでいるところはマジの田舎である。いい田舎とあまり良くない田舎があるが良くない方。でしばらくぶらぶらして去年の10月から働きだした。そこでのバイトも一周年となる。バイトし始めの頃は長に「saiくん、ずっとここで働いてくれるのかな?腰掛けじゃないの?」(返事は「労働環境と待遇によります」)とか同僚にも「いつ辞めるんですか?辞める前に言ってくださいね」などと言われていたのだがまだ続いている。同僚にいたっては私が辞める前に辞めちゃった人が二人もいて少しさみしい。どんな職場でも自分が一番に辞める人間だったので後に残される立場になるのは初めてである。まあ私の若い頃もそうしてきたんだし彼らの方が私より若いしこれは普通のことでもある。労働環境と待遇はあまりよくないし職場も微妙なんだけどその辺はまあしょうがない、というかわりとどーでもいいものとして処理できている。定時に終わって家から近ければ基本的に(グレーバーに言われるまでもなくほとんどの仕事がなにもかも大差ないクソみたいな仕事だから)なんでもいいと思っている。

 定時に仕事を終えて何をするかというとスケボーである。もう半年くらいになるだろうか。全くの初めてではなく、高校生のころに少しやったのだが腕を骨折して左手で美大を受験する羽目になって以来やってなかったのだがなんとなくでまたやり始めたのだ。これがかなりおもしろい。平日は家の周りや公園で少し滑る。休みの日には今住んでいる場所から車で一時間も行けば数カ所にスケートボードパークというものがあって、そこで滑る。私は始めたてなので大体どこへ行っても一番下手くそなのだがそれでも楽しい。すっ転んだりして怪我も絶えないのだが(6月に折れた肋骨が先月やっと完治した。今は左足が痛い)晴れた日には何を差し置いてでも滑りに行きたくなる。
 スケボーというものは怪我をしないとはじまらない最悪のスポーツである。世界で一番うまい人でもこけている。人類が達成可能な難易度をあっさりと超えているスポーツなのだ。私は浅田真央さんが演技中何度もすっ転んでいるのを見て、世界最高の選手でもできるかどうかわからないことに挑戦しているという事実に胸を打たれていたのだが、全てのスケーターも(私も)レベルの違いはあれどそれをやっていることになる。でもまあこれはただ各人がやりたいからやってるだけだけどね。

 平日と休みにスケボーをするようになってしなくなった(する時間が減った)のは読書と絵描きとインターネットである。それに伴って考えることも減った。散歩やジョギングなど単純な運動時にはそれをしながら様々なことを考えるのだがスケボーをしている間は全く他のことは考えない。行為にぴったり集中していないと大怪我をしてしまうというのもあるが、私は単純に馴れていない下手くそなので考える暇がないのだ。なので最近の私の頭のなかは空っぽである。

 絵を描いている時間は不思議といろんなことを考える時間だったのだがこれも減った。本を読むより絵を描いているときのほうが「特殊な考えが浮かぶ時間」「特殊な考えに至る道を進んでいる時間」だったのだが。残念である。

 本は新しいものは全く読んでいなかった。コロナ騒ぎで近所の図書館が閉館してしまったのと同時に本屋へも行かなくなった。今は図書館も開いているみたいだけどわざわざマスクしてまで行く気力がないので行っていない。本屋にも行っていないので今どんな本が売っているのかはわからない。インターネットで話題になっているものが目に入る程度で最悪である。最近はあまりに何も考えていないのでちょっとやばいと思って本をまた読むようにしている。amazonでテキトーに買って寝る前に古典、あとバイト中の昼休みに読むように新書を職場に置いている。

 インターネットをしている時間も減った。前は頭に浮かんだ様々なことをTwitterに投げていたのだが今は頭に様々なことは浮かばないし、なんとなくTwitterに飽きているというのもある。 ネットショップを眺めてスケボーのデッキ(消耗品だし私のサイズは少ないので常にストックを探している)を見て回ったり、YoutubeでスケボーのHow To動画を見るくらいである。

 音楽は探す時間は減ったが聴く時間は増えている。通勤は車だし週末はスケボー・パークへ遠出するのでBleepやbandcamp、amazonでテクノを買っている。最新のものでいいと感じるものはあまりないので学生時代に金がなくて買えなかった古いエレクトロニカのアルバムを買っている。この辺りの作品は無限にあるし作者もだいたいインディな人々でbandcampにあげてるしネットで探して買う分には困らない。

 スケボー以外ではほとんど家を出ないし外食もしないし店にも行かない。コンビニに入るときに覚えてたらマスクをするくらいで私の生活は完結している。飲み会もないし誘われることもほとんどないので酒を飲むこともない(今年は飲んでないかも?)。手広く社交をする時間もないが、その代わりに職場の人々とは仲良くやっていて、わりといまは人と接しているのは楽しい時期なのかなと思わないでもない。職場の人々はだいたい一回りも下の人たちばかりだけど私の方が後輩なのでいろんなことを教えてもらっている。『鬼滅の刃』についても彼らから教えてもらった。私は職場で「サボりの柱」を自称している。

 とりあえず今日はもう眠くなったのでこの辺でおしまい

今週の一曲 OTTO - About You Now

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 最近の人の中で大当たりの新人OTTOくん。まだ若いのに00年代エレクトロニカを感じさせる作風で最高です。この曲はアイドルポップソングのカバーだけど元曲の100倍いい。