紙のラジオ

だから、読者よ、わたし自身がわたしの書物の内容なのだ。きみが、こんなにも取るに足らない、こんなにもむなしい主題のために時間を使うのは分別のない話ではないか。では、さようなら。

作業日誌:170612 - これからの長い未知

今日のBGM : Kit Clayton - Material Problem

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 エレクトロニカ黎明期の Clicks & Cuts というコンピのVol.2に収録されていた(らしい)この曲。この時代の曲に多感な頃の私はやられてしまったのでいまだによく聞く。なんでここから音楽はこの方向へ進化しなかったのか不思議に思ったものだが(その後長い80'sリバイバルに入った)今思えばここが既に終着点だったのだ。

作業日誌

 昨日の続き。

 作業中にNHKカルチャーラジオを聞いていた。「ミクロの窓から宇宙をさぐる」おもしろいです。宇宙物理学や量子論に興味のある人はだいたい聞いたことのある話だと思うけど、先生の話し方と声がいいですね。その流れで詩人のまどみちおさんの絵について特集したNHKの番組(だと思う)を見る。絵は番組越しの一部しか見えないがかなりいい。いや、私の好みの作風ではないが、ちゃんと個人的な絵になっている。オリジナルで必然性がある。こういう絵はいつまでたっても、誰しもが創作する今となっても、珍しい。

 まどさんの作風に引っ張られてクレパスを使って一枚描いてみた。とても扱えない。楽しくもない。続けるかどうかはわからない。一枚で諦めて水彩風の絵を描いてみる。これもニガテだが、まだこちらの方がマシだと三枚目を描いてみる。まだまだ探り探りだ。

人体解剖と描写法

人体解剖と描写法

 合間の時間にルイーズ・ゴードンの『人体解剖と描写法』の数ページを模写。背中から人を描く場合の肩甲骨を集中的に描く。このような基本的な勉強をもっとちゃんと学生時代にやっておけば…と後悔する気持ちは少しあるが、長い人生でまだまだ学ぶことがあると思うとまあいいかとも思う。なにしろ絵を描くということは、私にとって最も苦手なこと、うまくできないこと、下手なこと、先があまりにも長いこと、である。これをわざわざやるわけだから近道をしても意味がない。ピカソが14歳になるまでに身につけていた技術すら私にはまだ具わっていないと考えると、情けなくもあるが、楽しくもある。