紙のラジオ

だから、読者よ、わたし自身がわたしの書物の内容なのだ。きみが、こんなにも取るに足らない、こんなにもむなしい主題のために時間を使うのは分別のない話ではないか。では、さようなら。

作業日誌:170607 - 何かは同じもので何かは別のもの

今日のBGM : FLO - Turn Around

soundcloud.com
 Aphex TwinがField Day Londonのライブでかけていた曲。クールでいいです。

作業日誌

 雨。午後から事務手続きのため郵便局へ。帰ってから作業。

 新しい絵のための下書き、ラフ、アイデアスケッチなど。そしてこないだまで描いていた絵の見直し。その絵のシリーズとして別の絵を描くか、全く関係ない絵を描くか…と過去の自分の描いた絵をじっと見ていると、たとえば細部なんてぜんぜん自分の記憶になくて「へえ、こここうなってるんだ」などと思うのだけれど、同じ絵だとわかる。細部は全く知らない(覚えてない)が、しかし同一のものだと判断している。それは他にも様々な推理がなされているとは思うんだけど(だれが似たような絵とすり替えるのだろうか?)全く細部のことを知らないのだが同じものだと判断しているのは不思議である。それは部屋においてある家具や工業製品や小物も同じく、細部は覚えていないが同一のものとして判断している。

 しかし、わたしの知り合いに双子がいて、彼らの細かな差異も私はわからないけれど、二人とも別々に会うとそれぞれ別人だとはわかる。要するに似たようなもの(失礼だな)があって、その差異を認識していなくても別のものだとはわかるわけだ。これはかなり不思議だ。何かを大雑把に認識しつつ、それを別のものとも区別するという能力はかなり抽象的で柔軟性のある技術だと思う。脳は不思議で高性能だ。『妻を帽子とまちがえた男』また読み返そうかな。

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)