紙のラジオ

だから、読者よ、わたし自身がわたしの書物の内容なのだ。きみが、こんなにも取るに足らない、こんなにもむなしい主題のために時間を使うのは分別のない話ではないか。では、さようなら。

Aphex twinのカウントダウンサイトで何が起こるのか

aphextwin.warp.net
http://68.media.tumblr.com/ba4d57a6b951fa51ce484f6d9c5f9b00/tumblr_nmoibjaGbO1upz6b9o1_1280.jpg

 Aphex twinのカウントダウンサイトで何が起こるのかを考えたい。私の以前の記事では

だいたい2017年7月6日17時頃にゼロになる計算です(ちょっとずれてるかも)。

ニューアルバムじゃないかと考えているようです(略)どのようなニューアルバムなのかということですが

1)Melodies From Marsという過去にお蔵入りになったアルバムの正規リリース
2)Selected Ambient Works Vol.3
3)soundcloudにAphexがアップロードした大量の未発表曲をまとめたもの
4)それぞれのフェスで限定販売されたレコード音源の正規リリース
5)完全な新作。もしくはまだ発売されていないがライブでプレイされた曲などが収録されているかもしれない

 と書いた。しかし私はニューアルバム発売(フィジカルリリース)の発表は微妙だなといまは考えている。というのも現状すでにカウントダウンがゼロになるまでファンが待っていて、カウントダウンが終わったその時点でニューアルバムの発表となると、結局カウントダウンのあとさらに発売までまたファンは待つことになる。これは企画としてはなんとも間抜けだ。単純に企画者の立場で考えるとカウントダウンがゼロになった時点でなにかが起こる、何かができるようになるというイベントを作るだろう。でないとゼロの瞬間に人の注意を集める意味があまりない。(まあ発売日の発表でも効果はゼロではないが…)

 とすると、おそらくAutechreのBleepstore https://autechre.bleepstores.com/ のようなAphex Twin専用の音源販売サイトのオープンが妥当なところだろう。そしてそこで販売される音源が上で引用したものになるか?うーん。ダウンロード販売だと想定すると、あり得そうな順は

1)soundcloudに放出した(今は消えている)膨大な量の過去音源をリマスタリングしたもの(WATMMで企画された人気投票 http://user18081971.watmm.com/ の結果が反映されているかも)
2)それぞれのフェス(Houston, London)で限定販売されたレコードの音源のダウンロードリリース
3)完全な新作、もしくは未発表音源などの曲単位/アルバム単位での販売

 という感じになるのではないか。ダウンロード販売のサイトのオープンでさえあればそこで販売するのは曲単位だろうがアルバム単位だろうがなんでも可能だが、しっかり作りこんだものはWARPとしてもやはりニューアルバムとして大々的に世界中でフィジカルリリースしたいだろう。Aphexはライブでも他人の曲をかけているのでAutechreのようにライブ音源を発売するというのはなさそうだ。ということでおそらくリリースするタイミングを逸した過去音源(上記1)やこれからのフィジカルリリースのラインから外れる曲(そもそもAphex twinはリリースされずとも曲を量産しているので)が販売されるのだと予想。

 個人的にはsoundcloudに突如放出された28 Organという曲
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 が正規の音源として手に入ることを希望している。理想としてはダウンロード販売ストアのオープンと同時にニューアルバムのリリース発表というのもありうる。これが一番嬉しいですね。

 何が起こるかはわからないがとにかく楽しみです。

作業日誌:170608 - 為替は四時まで/甲本ヒロトの詩

今日のBGM : The Blue Hearts mix

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 下に書きましたが久しぶりに作業中に聞いていた。私の人生で詩というものにガツンとぶつかったのはブルーハーツ甲本ヒロトのものが最初だと思います。衝撃としか言えなくてびっくりした。このビデオは曲を短く切って多くの曲を紹介するようにミックスしているようです。何か引っかかったひとはiTunesとかで…買えるのかな?もしくはCD買いましょう。

作業日誌

 またも郵便局へ事務手続き…なのだが為替の取り扱いは16:00まで、着いたら16:30で「今日はもう終わりました…」と言われてムギギギギー!となった。

 Ray Johnsonのうさぎからいろんなものができないかなと思ってアイデアスケッチをしていた。発展するかはわからない。

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甲本ヒロトの詩について

 ところで今朝見た夢は実家の近所の畑でブルーハーツがライブしていて、ライブ中にヒロトが「ちょっとおしっこしたくなったんでトイレに行きます」と言ってトイレに行った、というものだった。

 起きてからしばらく甲本ヒロトについて考えていた。たとえば「好きな詩人は?」という質問があると、パッと答えが出ないので考えたあげくカッコつけて詩人として有名な人をあげたりしちゃいそうなんだけど、でも詩というものに出会った最初の衝撃はブルーハーツ甲本ヒロトだったなと思い出した。今考えてもそれを超えるものってほとんどない。宮沢賢治の数編、まどみちお、エミリ・ディキンスン、etc... 最初の刷り込みのせいか、もしくは本当に素晴らしいのか(両方だと思う)甲本ヒロトの詩は素晴らしいと思う*1。忘れてたけど。

 でもたとえばボブディランみたいに、ブルーハーツ(じゃなくてハイロウズでもクロマニヨンズでもいいんだけど)の詩にノーベル文学賞が与えられても、いや、あれは歌なんだよな〜という微妙な気持ちがすると思う。もちろん詩として抜き出してもいいんだけど、その素晴らしさは曲とともに唄われる言葉というか、それが歌になってるよさがあるんだよな。だから(だからとなるのか)ボブディランの受賞は、評価としては納得だけど、文学として批評するのが適しているのか?という問いはある。人間としてとても素晴らしい人に対して、プールの清掃員としての最高の評価しかしないような。それってやっぱ一部分なんだよねという感じというか。

肝心の歌詞(詩)を少し紹介

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 ザ・ブルーハーツの世界のまん中という曲では

朝の光が待てなくて 眠れない夜もあった
朝の光が待てなくて 間違ったこともやった

ぼくが生まれたところが 世界の片隅なのか

うまくいかないとき 死にたい時もある

という少年/少女を

生きるということに 命を賭けてみたい

 というところまで導く。この後にさらに一節があってこれがとてもこの詩を奥深いものにしてるんだけどそれは省略。

 まん中というフレーズといえば、ナビゲーターという曲では

わたしはきっと悲しみの まん中あたりで泣いている
わたしはきっと喜びの まっただ中で笑うんだ

 と唄われている。
 ラストアルバムの歩く花という曲は

知ってるかい 忘れてはいけないことが
何億年もむかし 星になった
どんな時代の どんな場所でも
おんなじように見えるように

 という素直で透きとおった表現がみられます

 甲本ヒロトの歌詞は『リンダ・リンダ』の有名なフレーズ

ドブネズミみたいに 美しくなりたい

 のように結果的に価値転換となる、もしくはネガポジ両極を等しく扱う素直なまなざしがあり、とても繊細で詩的だと思います。この歌というものを文字だけで詩としてみるのと、歌として唄われるのではぜんぜん違うと思うんですよね。

*1:ところで、真島昌利の詩も素晴らしいのですが今日は触れませんでした

作業日誌:170607 - 何かは同じもので何かは別のもの

今日のBGM : FLO - Turn Around

soundcloud.com
 Aphex TwinがField Day Londonのライブでかけていた曲。クールでいいです。

作業日誌

 雨。午後から事務手続きのため郵便局へ。帰ってから作業。

 新しい絵のための下書き、ラフ、アイデアスケッチなど。そしてこないだまで描いていた絵の見直し。その絵のシリーズとして別の絵を描くか、全く関係ない絵を描くか…と過去の自分の描いた絵をじっと見ていると、たとえば細部なんてぜんぜん自分の記憶になくて「へえ、こここうなってるんだ」などと思うのだけれど、同じ絵だとわかる。細部は全く知らない(覚えてない)が、しかし同一のものだと判断している。それは他にも様々な推理がなされているとは思うんだけど(だれが似たような絵とすり替えるのだろうか?)全く細部のことを知らないのだが同じものだと判断しているのは不思議である。それは部屋においてある家具や工業製品や小物も同じく、細部は覚えていないが同一のものとして判断している。

 しかし、わたしの知り合いに双子がいて、彼らの細かな差異も私はわからないけれど、二人とも別々に会うとそれぞれ別人だとはわかる。要するに似たようなもの(失礼だな)があって、その差異を認識していなくても別のものだとはわかるわけだ。これはかなり不思議だ。何かを大雑把に認識しつつ、それを別のものとも区別するという能力はかなり抽象的で柔軟性のある技術だと思う。脳は不思議で高性能だ。『妻を帽子とまちがえた男』また読み返そうかな。

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)